自分に合った漢方薬を見つけるには
本来、漢方薬も副作用などの可能性もあるお薬なので、できれば、漢方薬の専門家、医師に問診等を行って、必要であれば検査を行い、処方してもらう方が安全です。
漢方薬というのは、その方の体質を考慮して処方されるもので、自分の体調が劇的によくなったからといってほかの方にも同じ効果が出るとは限りません。
逆に友人からすすめられて飲むということも危険です。
自分に合った漢方薬を専門家によって見つけてもらう、ということが大切なのです。
漢方でいう体質というのはどういうことなのか?
漢方は、西洋医学のお薬とは違う観点を持っています。
漢方の専門家がその方の体質、体の状況、悩みなどを聞きながら漢方薬を選ぶのです。
その理論にはものさしのようなものがあり、気、血、水(き、けつ、すい)を基本に、一人一人の体調、体質に合った漢方薬を選びます。
その処方には一般の方が頭をひねるようなこともあり、たとえばニキビに悩んでいるのに、おなかを確認したり、冷えがひどくて相談しているのに、女性であれば生理は順調かどうか、その状態はどうか?ということを聞くこともあります。
漢方では西洋医学と違う考え方があるため、専門家がしっかりとその方に合った漢方薬とみつけることが重要なのです。
漢方でいう証とは何か
漢方でいう証というのは、その方の現在の状態、体質、体力、抵抗力などはどうか、また症状がどのように表れているのか?ということをみる事です。
体の不調に悩んでいる方が、どのような状態なのか医師に体調を詳しく伝えること、またその方の体格などの要素で、判断します。
同じような症状を持った患者さんが二人いるとしても、その方の証、つまり体質や抵抗力、その方の症状や体格などを確認することで、同じ症状であっても処方する漢方薬に違いが出てくるということです。
虚と実という考え方
証を見極める際に、虚、実を確認します。
虚は虚証、体力がなく虚弱している状態で、実、実証は体力、抵抗力が満ちている人を表します。
こうした患者さん一人一人の状態を細かく把握することで、それぞれに合った漢方薬が処方されるということになります。
風邪をひいた場合の漢方薬には、葛根湯などが知られていますが、この漢方薬は胃腸が上部である人に処方するもので、胃腸が弱くおなかを壊すことがたびたび・・・という人に、漢方薬の専門家が処方することはありません。
虚、実をしっかり確認することで、風邪であっても葛根湯を処方していい人と、してはいけない状態にある人がいるということです。
漢方薬は市販されているものもありますし、気軽に利用できるお薬と考えている人も少なくありません。
しかし、本当に自分に合った漢方薬を見つけるためには、専門家が様々なことを確認し、その方が今どのような状況にあるのかを理解した上で、必要なお薬を判断する必要があるのです。